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おくちでたべるドットコム

昭和大学歯科病院 口腔機能リハビリテーション科

local_library第27回 横を向いた状態での飲み込みはどう変化するか?

気管に物が入るために起こる「誤嚥」。
頭頸部の手術や麻痺等で片側の口腔やのどに感覚麻痺や運動障害が起きてしまった場合、飲み込みの動きが鈍くなったり、食道に食物が流れにくくなったりして、誤嚥しやすくなります。その時、「麻痺側、障害側を向く」という姿勢調節法を取る事で飲み込みが改善されることがあります。今回は、姿勢調節法のうち「頭部回旋法」の右向き、左向きでの飲み込みについて説明します。

直立姿勢
【図1】直立姿勢

【図1】が直立姿勢でののどの状況です。
食道の手前の梨状陥凹は、喉頭蓋で食物が左右に分かれて一時的に貯まるくぼみです。飲み込み時に喉頭蓋が倒れ、左右の梨状陥凹に食物が流れていきます。

右向きの姿勢(右回旋姿勢)

右向きの姿勢(右回旋姿勢)
【図2】右向きの姿勢(右回旋姿勢)

【図2】が右を向いた姿勢です。
首が右を向くと、のどの右側が狭くなり、左側が拡がり、食物は左側を通りやすくなります。

左向きの姿勢(左回旋姿勢)
【図3】左向きの姿勢(左回旋姿勢)

【図3】が左を向いた姿勢です。
首が左を向くと、のどの左側が狭くなり、右側が拡がり、食物は右側を通りやすくなります。

当科ではこの他多種多様な方法の嚥下指導を行っております。
飲み込みにお困りの方は、昭和大学歯科病院口腔リハビリテーション科までご相談ください

大沼 光司